イタリアの日常 · ローマ観光

4月25日は、解放記念日です。

本日イタリアは祭日です。ローマの統一記念モニュメントでは、大統領、首相、上院、下院の議長が式典に参加しています。

ナチスドイツ、ムッソリーニ率いるファシスト政権から解放された記念日です。

1946年4月25日、パルチザンの活躍によりムッソリーニ逃亡します。その3日後にムッソリーニは捉えらます。

世界各地で独裁者が猛威を振るう昨今。ますます重要なイベントとなっています。

さてこちらは天才芸術家ウィルトさん作ムッソリーニ

ムッソリーニも多くの独裁者と同じくプロパガンダで全面的に芸術を利用します。

強いイタリア、急速に発展するイタリアを造形美術で表現させました。

このムッソリーニの顔もすごい迫力ですね! ローマの国立近代美術館に保存されています。

こちらもウィルトさんの傑作バチカン美術館所蔵です。ピウスXI世、ムッソリーニと対立した人物です。意志の強さ、そして同時に苦しみも伝わってくる驚くべき表現力ですね。

こちらは彼自身の姿です。激動の時代に生きた芸術家の苦しみが現れていますね。ムッソリーニ時代には、多くの芸術家はファシスト政権を推進する作品を制作することを強いられます。彼らの苦しみは如何なるものだったか。。。

ローマ観光

カラバッジョの裁判記録

裁判沙汰が絶えなかった天才芸術家カラバッジョ。

こちらは、1603年にカラバッジョがジョバンニ・バリーオーニ名誉毀損で訴えられた際の裁判所の記録です。

カラバッジョとその取り巻きがジョバンニ・バリオーネを中傷するソネットを広めたようで、その中には、

“お前の絵なんて誰も買わないから裸同然で街を歩くことになるに違いない、、、”

などとかなり痛烈な表現です。

しかし、この裁判所の記録によるとカラバッジョは、バリオーネは人間としても画家としても優秀だと答えたようで、実は、取り巻きの仕業だったのかもしれません。

この二人の争いは美術史上とても有名ですが、この時期に制作された当事者の作品といえば、

AMORE VINCIT OMNIA =愛の勝利

ビンチェンツオ ユステイニアーニ侯爵により依頼されたカラバッジョの代表作です。教会の力が非常に強かった当時の倫理観とはかけ離れた表現ですが、カラバッジョの評価をさらに高める作品となりました。

一方、バリオーニは、同じユステイニアーニ家の枢機卿ベネデイクトの依頼で、

『俗愛と聖愛』を制作します。

聖なる愛の力で反逆天使から救われるアモール、すなわち俗愛

ここで横たわるアモールは、まるでカラバッジョの絵に登場したアモールのようです。カラバッジョの絵をそしてそのタイトル自体も批判しているようですね。

一方この絵の評判は悪く、この不自然な鎧が、カラバッジョ達の中傷の対象になったとも言われています。

この2枚の作品はローマには存在しませんが、

書き直したバリオーネの作品は、ローマ国立古典絵画館でご覧いただけます。

不自然さは、拭い去られていないような気がしますが、、、私もソネットに洗脳されたのかもしれません😅

イタリアの日常

『殺し屋のスパゲッティ』の作り方

すごい名前ですが、イタリア人はよく感動すると

‼️お前は俺を殺す気か‼️

などと叫ぶのですが、このスパゲテイを食べたお客がシェフに向かってこう叫んだと伝えられています😳

さて作り方は、今流行りのリゾッタートという方法で、リゾットのようにパスタを調理するという意味です。古くからある方法ですが、やっぱり電気代やガス代、水道代を節約したい昨今、また流行ってるのではないかと、、、

まず、小さな鍋にトマトソースを薄めたものを作ります。

リゾットの際には、温めた野菜のブイヨン(イタリアでは、セロリと玉ねぎ、にんじんで出汁を取ります)を少しずつ加えて煮込んでいくのですが、このレシピの場合には、塩味をつけた薄めのトマトソースを使います。

私は、お水にトマトペーストを入れましたが、トマトソースに水を加えても大丈夫だと思います。

お水にトマトペーストとお塩を少し加えました。

フライパンには毎度お馴染みニンニクと唐辛子。少し焦げ目がつくまで中火で炒めましょう。(アリオ・オリオ・ペペロンチーノ)

ここにトマトソースを加えていきます。スパゲッティが浸かる程度です。

スパゲテイをここに寝かすように入れて中火で焦げるまで炒めていきます。

パスタが折れないように少しずつ混ぜながら、、、

少し焦げ目がつくまで我慢、我慢、

つねに、スパゲテイが水面下にあるように徐々に火にかけてある薄めのトマトソースを加えながら煮込んでいきます。硬さは、時々味見をしながら、同時に塩加減も調整しながら行ってくださいね。

いい感じに出来上がりました😊仕上げにペコリーノチーズを削りかけましたよ!

感想 トマトソースがしっかりとスパゲテイに染み込んでいて濃厚な味で正に『殺し屋』って感じですね😊😊😊

イタリアの日常 · カフェ&レストラン

早々とカーニバルのお菓子が並んでいます😊

さてカーニバルとは、なんでしょうか?

カトリックの規定では、重要なお祭りの前に質素な食事をして謹慎生活をして精神的な準備をしましょう!ということになっています。

これが復活祭の場合には最も重要な祭り事ですので約40日間(クワレージマ)その前の約2週間がカーニバルとなるのです。

謹慎生活の前にちょっと楽しみましょう!という感じです。

カーニバルは、イタリア語ではカルネバーレ。

カルネ(肉)レバーレ(省く)という意味です。

キリスト教初期の社会では贅沢品であった肉類などを食べない質素な食事をする期間(クワレージマ)その前のお祭りという意味のようです。

さてこの復活祭というのは、

『春分後、初満月のすぐ後の日曜日』

今年は、春分後の満月が、4月6日に当たるのでそのすぐ後の日曜日、4月9日が復活祭です。そしてカーニバルは、2月5日から21日までです。

さてやっと本題のお菓子ですが、

こちらは、揚げたものもありますよ!

イタリアの日常

手打ちパスタのすすめ

魚屋さんでサーモンを安く手に入れたので、ラビオリを作ることにしました。

旦那の血糖値が高くなってきたので古代小麦セナトーリカッペリの小麦粉を使いました。大量生産されている小麦よりもグルテンが少ないそうです。

小麦粉は3人分で300G 卵は3個

こちらは小麦粉の水分量や卵の大きさによっても少し変わるので硬さを見ながら小麦粉の量を微調整します。

内側から山を崩すように卵と小麦粉を絡めていき最終的には下の写真のように団子状に仕上げます。一気に混ぜてしまっても違いはないと思うのですが、昔、海辺で砂の城を作った時のような楽しみがあって私はこの呑気なメソッドで混ぜております😊

この状態で30分ほど記事を休ませます。その間にフィリングの準備を、

エキストラバージンオイルと塩、胡椒で、、、

同じフライパンでポロ葱を炒めました

ここで重要なのが分量ですね。私はサーモンの味を強く出したかったのでポロ葱もリコッタチーズも少なめにしました。リコッタチーズが手に入らなければ水切りした豆腐でも美味しいと思いますよ😊お豆腐を入れたらちょっとお醤油を加えると良いかもしれませんね😊

フィリングが出来上がったので記事を伸ばしましょう!

丸い方で生地をくり抜いてフィリングを挟んで周りはフォークの先で押さえつけて閉じていきます。量が少ない時は手で伸ばしちゃう方が早く出来ますよ😉

型を使って切り抜いてフィリングを挟み周りはフォークの先端部で押さえて閉じていきます。

ソースはバターとローズマリー

茹でたラビオリをここに入れてソースを絡めたら出来上がり😊😊😊

ラビオリは、餃子のように具材を変えて色々と楽しむことが出来ますよ!子供が小さい頃には野菜を食べさせるためによくラビオリを作りました😊

  • 4月25日は、解放記念日です。

  • カラバッジョの裁判記録

  • 『殺し屋のスパゲッティ』の作り方

ローマ観光

初日の出

明けましておめでとうございます。

コロナ前には、毎年大晦日にも仕事のことが多くお客様にローマの初日の出スポットのお話をするのが一般的でした。

9月に日本入国時の規制が緩和されて観光や通訳の仕事が少しずつ増えてきましたが、残念ながら年末年始の仕事のご依頼はいただけませんでした。

と撮影に行ってまいりました!

まずは、カピトリーノの丘へ   カピトリーノの丘には最高神ゼウスの神殿がなんと紀元前6世紀に完成しています。戦利品と奴隷を引きつれ街中を凱旋行進したあとにこの丘に登り感謝の祈りを捧げたのです。この巨大な神殿の遺跡は今も丘の上のローマ市立博物館の中に保存されているのです😊

カピトリーノの丘からは、フォロ・ロマーノの遺跡を一望することが出来ます。そして丘を下り、ガリア戦争で大活躍し借金まみれの生活から一気に大金持ちとなったカエサルが戦争の最中に土地を購入し作らせた公共広場の横を通り歴代の皇帝たちが作らせた公共広場の遺跡の間を抜けコロッセオに向かいました。

コロッセオの北側から東の空を眺めようという作戦です。

元旦の日の出は7時30分ごろでしたがコロッセオの北側からは、7時50分ごろ初日を眺めることが出来ました。

帰りは同じコースを通り車を駐車した場所に戻りましたが、皇帝達の公共広場が左右に広がるフォーリ・インペリアーリ通りから振り返るとコロッセオの最上階のアーチから初日が覗いている様子を見ることが出来ました😊😊

再びカピトリーノの丘からフォロ・ロマーノの遺跡を眺めるとローマが2800年前に誕生したパラテイーノの丘の上にいる初日を拝むことが出来て、なんだか幸せな気分となった元旦の朝でした😊😊😊

では、動画をご覧ください😊😊😊😊😊

クリックすると動画がご覧いただけます。

初日の出撮影のために歩いたコース

イタリアの日常

フランダースの犬とローマ

大ヒットしたフランダースの犬の最終回でネロが見た絵は、フランドルの巨匠ルーベンスの傑作、キリストの昇架と降架でしたね。

ルーベンスは当時ヨーロッパの芸術の中心でったローマに滞在し、遺跡や古代彫刻を眺めたりルネッサンス時代の巨匠の大作に魅了されたりと、当時の多くの芸術家がそうであったようにローマの滞在はその後の彼の作品に大きな影響を与えます。

問題の作品も、、、

ベルギー アントウェルペン大聖堂

キリストの降架と呼ばれる、キリストの遺体を悲しみに包まれた人々が十字架から降ろす様子を表したものです。

バロック芸術は明暗法であったり、心理学的トリックや騙し絵、いろんな仕掛けで人々の視線を釘付けにしてしまいます。

さらには一人一人のポーズもインパクトの強い効果的なポーズですね。真ん中のキリストのポーズはルーベンスがローマ滞在時に見たラオコーンの群像のラオコーンのポーズを参考にしたようです。

彼が見たのは、以前ブログでご紹介した、ポーラックさんが発見した腕に付け替えられる前の姿です。(クリックしていただくと腕のことを書いたブログにジャンプします)

ラオコーンの怒りや苦しみそして息子を失った悲しみという複雑な感情が表情だけではなく姿全体で表現されている古代彫刻の傑作です。

ラオコーンの群像が保存されているバチカン美術館にあるルネッサン時代の巨匠ミケランジェロの描いた最後の審判。こちらにもこのポーズが登場します。

赤いラインで囲んだ審判を下す神の姿は明らかにラオコーンのポーズからインスピレーションを得ているのですが、上に挙げている腕は真っ直ぐ伸びているのではなくポーラックさんが発見した腕のように曲がっています😳

ミケランジェロは、当時すでにオリジナルは、当時付けられていた腕が正しくないと気がついていたのでしょうか???

イタリアの日常 · ローマ観光

街は、もうすでにクリスマスバージョンに、、、

イタリアでは12月8日にクリスマスの飾り付けを始めるのが習慣なのですが、今年は、どこも早々と飾り付けを始めています。

やっとコロナも落ち着きクリスマス気分を満喫できるとみな気合が入っているのかしら?

サン・ピエトロ広場とスペイン広場の様子です😊

イタリアの日常

ハーブとフルーツでイタリア料理のコツを😊

お醤油や出汁を使うと和風になるようにハーブやフルーツを使うと簡単なメニューもイタリア風に早変わり😊😊😊

こちらは先日、海沿いのレストランで食べた、バカラのムニエル

バカラは塩漬けにした後日干しにした鱈でイタリア料理には頻繁に登場します。

このメニューは白身の魚であればなんでも代用可能です。小麦粉を軽く塗し、輪切りの葡萄を入れたバターでカラッと揚げた後、魚を取り出し弱火でバターが焦げないように葡萄の香りと酸味が加わったソースの濃度を上げましょう少しトロッとするぐらいが理想です😊😊😊

魚をソースにもどし絡めたら盛り付けましょう😊😊😊😊

とっても簡単でイタリアっぽい一品の出来上がり

こちらもイタリア料理の定番、魚介類のサラダです。

オレンジが美味しい季節ですので、茹でたイカにオレンジとフェンネルの葉が入っていました。塩とEVO(エキストラバージンオイル)で味付けをしますが、レモンの代わりにオレンジと香り高いフェンネルの葉でエスプリを効かせましょう😊

こちらもイタリア料理の定番ですね。至りでは、お魚と豆類を合わせる料理が多いのですが、こちらは、ムール貝とひよこ豆のスープです。EVOでカラッと揚げたパンが添えられています。

先月仕事でプーリア州に行った際にそら豆のピューレとカリカリ蛸という名物料理を久々に堪能しました😊他にもバカラの塩抜きの際にひよこ豆を入れておきバカラのトマト煮にバカラの旨みが染み込んだひよこ豆を添えるのも定番メニュの一つです。

さてレシピですが。

乾燥したひよこ豆を使う場合には一晩水に漬けてもどしておいてから、圧力鍋では30分普通の鍋では、約1時間ほど茹でますが、その際にローズマリーを少し加えてましょう。塩は普段より少し少なめで茹でましょう。水煮のひよこ豆を使っても良いのですが塩分調整に注意しましょう。

ムール貝は、酒蒸しにします。

フライパンにニンニクひとかけ(潰してもよし、スライスでもよし)、唐辛子、EVOを入れて弱火でニンニクが黄金色になるまで火を通しましょう。

そこにムール貝を入れたら火を強め沸騰したら白ワインを少し加えて蓋をし、火を止めて蒸し煮にしましょう。

ムール貝は取り出し殻を外しておきましょう😊

フライパンに残った液体は、濾して茹でたひよこ豆に加えてハンドブレンダーでクリーム状にしていきましょう😊😊😊

😉この時に塩分を調整していきます。通常ムール貝を調理した液体は塩分が強いので一気に加えず少しずつ加えていきましょう、ひよこ豆を茹でた残り汁も加えながら柔らかさと塩分を決めてくださいね😊😊😊

今回はスープ状に仕上げ、お鍋に入れて火を通します。沸騰したら火を止めてムール貝を加えます。

盛り付ける際に写真のように、ローズマリーの葉を少し加えましょう😊

ここのレストランでは全てのひよこ豆をクリーム状にせずに少し豆を残しておいて盛り付けの際に加えていますが、そこはお好みでアレンジしてみて下さい😉

ローマ観光

なぜカラバッジョに惹かれるのか?

なぜ人々はカラバッジョの作品に惹かれるのか???

先日参加したカラバッジョの研究者による講習会のタイトルだったのですが。

私は、全てのからバッジョの作品に惹かれるという熱狂的なファンではないのですが彼のいくつかの作品には何度見ても吸い込まれるように感じるものがあります。

その一つがサン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会のコロナーリ礼拝堂のこの作品です。

『聖マタイの召命』聖マタイはローマ帝国の徴税人でした。

当時、徴税人といえば定額に上乗せをして私服を肥やすような輩だったようですが、ある日彼はキリストに導かれ彼の弟子となったそうです。

その瞬間を表すのがこの作品です。カラバッジョは、闇を描くことにより光を強調する明暗法を始めヨーロッパ中に広めた芸術家です。

真っ暗な闇を見せることによりその中にある光に見る人は惹かれるわけです。闇がなければ光に惹きつけられることはありません。

苦しみがなければ喜びに気がつかない、死を意識することにより生きる喜びを知ることができるように、闇は光の存在を私たちに気付かせてくれます。

この作品の中で闇の中にいる聖マタイを神秘的な光が照らしその先にはキリストそして初代教皇となったペテロがキリストの手前に位置しています。

光の先にいる聖マタイの表情は驚きに満ちています。胸に手を当て

『本当に私で良いのですか?』

と信じがたい表情です。

さて、カラバッジョが明暗法を始めたと言われますがその前にあの天才芸術家がすでに明暗法を使っていまからしたね、、、とこの話はまた次回。

位置情報 https://goo.gl/maps/Qcu1k7TWUQgad5Lp9

開門時間(宗教行事により急に見学不可能になることもあります。)