イタリアの日常

フランダースの犬とローマ

大ヒットしたフランダースの犬の最終回でネロが見た絵は、フランドルの巨匠ルーベンスの傑作、キリストの昇架と降架でしたね。

ルーベンスは当時ヨーロッパの芸術の中心でったローマに滞在し、遺跡や古代彫刻を眺めたりルネッサンス時代の巨匠の大作に魅了されたりと、当時の多くの芸術家がそうであったようにローマの滞在はその後の彼の作品に大きな影響を与えます。

問題の作品も、、、

ベルギー アントウェルペン大聖堂

キリストの降架と呼ばれる、キリストの遺体を悲しみに包まれた人々が十字架から降ろす様子を表したものです。

バロック芸術は明暗法であったり、心理学的トリックや騙し絵、いろんな仕掛けで人々の視線を釘付けにしてしまいます。

さらには一人一人のポーズもインパクトの強い効果的なポーズですね。真ん中のキリストのポーズはルーベンスがローマ滞在時に見たラオコーンの群像のラオコーンのポーズを参考にしたようです。

彼が見たのは、以前ブログでご紹介した、ポーラックさんが発見した腕に付け替えられる前の姿です。(クリックしていただくと腕のことを書いたブログにジャンプします)

ラオコーンの怒りや苦しみそして息子を失った悲しみという複雑な感情が表情だけではなく姿全体で表現されている古代彫刻の傑作です。

ラオコーンの群像が保存されているバチカン美術館にあるルネッサン時代の巨匠ミケランジェロの描いた最後の審判。こちらにもこのポーズが登場します。

赤いラインで囲んだ審判を下す神の姿は明らかにラオコーンのポーズからインスピレーションを得ているのですが、上に挙げている腕は真っ直ぐ伸びているのではなくポーラックさんが発見した腕のように曲がっています😳

ミケランジェロは、当時すでにオリジナルは、当時付けられていた腕が正しくないと気がついていたのでしょうか???

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